伊富岐神社(いぶきじんじゃ)
岐阜県不破郡垂井町岩手字伊吹1484−1

伊富岐神社は古くからこの地の豪族であった伊福氏の祖神をまつる神社であるといわれています。『延喜式』には「伊富岐神社」、『美濃国神名帳』には「正一位伊福貴大明神」と記されています。仁寿2年(852)「美濃国伊富岐神」を官社に列せられ、貞観7年(865)従五位下から従四位下、元慶元年(876)従四位上を授けられています。
 伊福氏は伊福部氏ともいい、天火名命の子孫で、壬申の乱には大海人皇子のために野上の行宮に奉仕しました。『日本略記』によると、和銅6年(713)伊福部君荒當は、美濃守である笠朝臣麻呂と木曽路を開き、田二町歩を与えられています。また、伊福部氏は平安京の遷都の際に「殷富門」の造営を行っています。
 慶長5年(1600)の関ヶ原合戦の兵火によって社殿は焼失しましたが、寛永13年(1636)に再興されました。